NEWS お知らせ
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7月26日〜28日にインターアクト部は秩父研修を行いました。
生徒が「少子高齢化」「過疎化」「後継者不足」「文化伝承」などに関心を持ち、秩父をフィールドとしてあらゆる側面から地域が抱える課題に触れてきました。普段、いわゆる「都会」に住む生徒たちにとって自然豊かな街並みや人との密な繋がりを肌で感じ、漠然と捉えていた課題を自分ごととして探究していきたいと考えるきっかけとなりました。
<1日目>
秩父研修1日目は、秩父の探索と地域のお祭りへの参加をしました。秩父には武甲山という大きな山があり、石灰の採掘が長年続いています。1日に一度お昼頃に石灰を採掘するために山から爆破する音が聞こえてきます。生徒たちは最初、なんの音か戸惑いましたが説明を聞き、秩父の日常の一部を知る事ができました。秩父の人たちにとって武甲山は山岳信仰の対象となっており、山に向けて鳥居が位置されていることにも驚いていました。
午後は大渕地区のお祭りに参加をさせていただきました。宮司さんの話からそこに住む人々にとってお祭りがなくてはならない重要な存在ということを聞きました。一方で、地域に住む若者の減少によりお祭りの運営がうまくいっていない現状を知ることもできました。本来、地域の子どもたちが神輿を担ぎ地域を歩くという歴史がありましたが、ここ30年近く子どもたちが神輿を担ぐことができていませんでした。そんな中、インターアクト部の生徒たちがお祭りに参加させていただき、神社のある山から麓まで神輿を担いで運ぶことができました。地域の人々の珍しそうに、それいて懐かしそうにされている姿を見て、文化の継承の大切さや地域の人々の祭りに対する熱い思いに触れることができました。
この日は生徒は民泊を体験させていただきました。秩父のコアな場所をドライブで紹介してくれるご家庭や伝統料理を一緒に作ってくれるご家庭、朝早起きして畑で野菜や果物の収穫を体験させてくれるご家庭などたった1泊でしたがとても濃い1日を過ごすことができました。離村式では「もう1泊したい」「もっとお話ししたい」など民泊先のご家庭との別れが寂しくなるほどよくしていただきました。
<2日目>
秩父研修2日目は、第一次産業に触れる1日になりました。ブルーベリー農家やワイナリー工場、りんご農園など秩父の第一次産業を支えている人たちから貴重なお話を聞いたり体験をさせていただきました。メディアなどでよく聞く「人手不足」や「後継者問題」に直面している人たちから直接お話を聞くことで、問題の大きさを実感しました。これまで秩父を支えてきた産業が衰退していかないためにも若者たちが地域のために何ができるかを考える機会となりました。しかし、人手不足だからこそ地域の人たちが協力し合い、助け合う文化も生まれてきていました。地域内での関係性が密になることは排他的になっていくのではないかという問いが生まれたり、技術の発展が人手不足を解決していくのではないかなど多角的な視点から地域課題を見つめおなすことができました。
2日目はみんなで養浩亭に泊まりBBQをしたり星空を観察したり、夏らしさを堪能しました。夕食後は気持ちを切り替え、2日間の学びをまとめる時間を作りました。暑さの中2日間フィールドワークをし、体力も限界がきている中でも2時間も集中してフィードバックを行うことができました。同じ行程で学んでいても人それぞれ感じることの違いや捉え方の違いがあり、議論していく中でまた新たな問いや探究テーマを見つけることができました。
<3日目>
秩父研修最終日は2日目に引き続き、第一次産業に触れました。養蚕業を営んでいる方から蚕を通じて命の重みを伝えていただきました。蚕と聞いて最初は抵抗があった生徒たちも蚕に触れ、蚕が繭になり命をかけて糸を紡いで私たちの生活用品を生み出してくれている背景を知り、命の価値を再確認することができました。また、秩父高校の生徒とも交流をし、ライフスタイルの違いや共通の話題などで盛り上がることができました。
秩父での研修が終わり、東京に戻って虎ノ門ヒルズのARCHで最後のまとめを行いました。多種多様な経験をしてきた大人の人たちに自分たちが2泊3日の秩父研修で何を学び、今後どのような学びに発展させていきたいかを発表していきました。この研修の中で様々な経験をし、思考し、自分の頭の中に知識や考えを落とし込んできました。発表後、たくさんのフィードバックをいただき、夏休み以降の探究活動の方向性が少しずつ見えてきました。
これからインターアクト部は國學院大学の「地域の伝承文化に学ぶ」コンテストに応募する予定です。今回の秩父研修での学びを活かして探究を続けていきます!